付加価値を高めるBIダッシュボードの作り方

私はデータとデータ運用の分野における20年以上の経験の中で、さまざまなダッシュボードを目にし、作成し、廃止してきました。 

皆さんはこのようにお考えでしょう。「ThoughtSpotは言ったじゃないか。ダッシュボードは時代遅れだと」。

この言葉に間違いありません。静的で同期しないダッシュボードは時代遅れで衰退しています。だからこそ、ThoughtSpotはLiveboardを提供しているのです。インタラクティブかつリアルタイムのLiveboardは、共有、埋め込み、データを活用したストーリーの作成を行えるように開発されました。

しかし、どのように呼ばれようと、こうしたデータスナップショットはビジネスの世界で今もなお重要な役割を果たしています。 

BIダッシュボードの目的とは

この記事の読者は、どこかでダッシュボードを操作した経験をお持ちでしょう。たとえば、お使いのスマートウォッチに表示されているアクティビティデータはダッシュボードの一種であり、KPIとデータビジュアライゼーション機能が備わっています。

BIダッシュボードとは、データシートを詳しく調べたり独自に分析したりする時間やノウハウがないユーザーに対し、ビジネスの正確な状況を伝える優れた手段です。これまで、こうしたダッシュボードをビジネスリーダーやビジネスユーザーが利用できるようにコンパイルする役目は、データチームやアナリストが担っていました。 

BIダッシュボードは別々のソースからデータを取り込み、有意義なインサイトを作成できます。たとえば、マーケターがGoogleアナリティクスを活用してウェブサイトのパフォーマンスを確認しているとします。しかし、あるデータと他のソースのデータの相関関係を調べる必要がある場合、一元的なデータリポジトリとビジネスインテリジェンスソリューションがなければ、まとまったインサイトを得られません。

BIダッシュボードのコンポーネント

ダッシュボードには通常、一連のKPIとデータビジュアライゼーション機能が備わっています。スマートウォッチに表示されるのは個人的なアクティビティデータですが、BIダッシュボードにはさまざまなビジネスソースから取り込まれたデータが表示され、会社や職務に関連する情報を提供するようにモデル化されています。 

BIダッシュボードにはフィルター、パラメーター、ドリルダウン機能もあり、これらを使えば表面上のデータビジュアライゼーションの下にあるインサイトを掘り下げて入手できます。また、テキストボックスやウィジェットにデータの文脈情報が表示されていることもあります。

ダッシュボードに対するLiveboardの価値

これらはすべて、BIダッシュボードのごく標準的な機能です。ThoughtSpotのLiveboardのような最新ソリューションも、あらゆるタイプのユーザー向けに機能を充実させたコンポーネントを備えています。例をいくつかご紹介します。 

無制限のドリルパスとデータビジュアライゼーションフィルター:データ探索を支援

  • 認定Liveboard:組織全体でデータガバナンス、品質、信頼を確保

  • SpotIQ:データビジュアライゼーションやKPIからAIを活用してインサイトを提供

  • モバイルモニター:ビジネスに重要なKPIしきい値に関するリアルタイムアラートを送信

  • コネクター:共有とコラボレーションを通じてダッシュボードのデータを運用化

しかし、こうしたツールの真価は、その見た目の良さ、構築にかかった時間、基礎データのモデル化の精度ではありません。BIダッシュボードはデータドリブンな意思決定に活用されてはじめて、その効果を発揮するのです。

Liveboardは、ユーザーエンゲージメントを高め、ユーザーがいる場所で導入が促進されるように設計されています。データフルエンシーのレベル、時間的制約、そして使用しているアプリケーションでデータを表示する機能はすべて、データのユーザビリティーを強化し、ビジネスにとってのデータ(およびデータチーム)の価値を飛躍的に高めます。

効果的なBIダッシュボードの作り方 

有用なダッシュボードの作り方は、企業やチームによってそれぞれ異なります。ここでは、ビジネス価値をもたらすダッシュボードの作成に役立つ一般的なステップをいくつかご紹介します。 

1.ステークホルダーのニーズを理解する

まずは情報収集です。次の問いについて考えてみましょう。 

  • このダッシュボードを使うのは誰か

  • 対象ユーザーにとって最も重要なインサイトは何か

  • ユーザーの現在のワークフローと、理想とするワークフローはどのようなものか

  • ユーザーが現在使用しているデータソースは何か

  • ユーザーがダッシュボードにログインする時間はあるか。また、KPIモニタリングシステムをセットアップする必要があるか 

  • ユーザーがダッシュボードを使用している場合、どのようなパスにドリルダウンできる必要があるか

どのような情報にユーザーがアクセスできるようにすべきか。さらに重要な点として、ユーザーがアクセスすべきでないデータは何か

2.目標を明確に定め、同意を集める

調査が完了したら、プロジェクト目標の草案を作りましょう。この取り組みではステークホルダーとの連携が必要です。目標を明確に定め、データチームとエンドユーザー双方から目標に対する同意を得る必要があります。

3.データパイプラインを構築する

いよいよ、データパイプラインの構築に取りかかります。別々のソースから情報を取り込み、個々のデータポイントをビジネスデータにマッピングし直します。また、必要な情報が統制され、関連ステークホルダーがアクセスできるようにします。 

データパイプラインの構築方法の詳細

4.連携してレイアウトとデザインを繰り返し見直す

目標を念頭に置き、ダッシュボードのレイアウトのたたき台作りに着手します。これは、PowerBIやTableauのような静的なダッシュボードを使用する場合は特に重要です。 

しかし、ThoughtSpotの場合は異なります。ThoughtSpotの検索ベースのインタラクティブなデータビジュアライゼーションなら、リアルタイムでLiveboardを簡単にピン留めし、繰り返し見直して、共有できます。実際、私もチームミーティングや共同セッションではこのようにしています。 

いずれにせよ、デザインのプロセスにステークホルダーが関与することが大切です。

5.パフォーマンスと精度を優先する

Harvard Business Reviewの調査によれば、回答者の66%が、データの品質と信頼性を高めることはデータ価値を高める上で最も重要なステップだと答えました。なぜなら、分析を導入して意思決定に利用することは、データの信頼性と相関しているからです。

ユーザーがダッシュボードにアクセスでき、迅速にインサイトを得られることも、重要な要因です。実際にチームがダッシュボードを活用できるようにする場合、適切なデータを見つけるまでの手間と時間を最小限に抑えたいと考えるでしょう。それはつまり、読み込みのスピードを優先して、ワークフローの中断を最小限に抑えるということです。

6.データを活用したストーリーをユーザーに伝える

対象ユーザーを念頭に置き、データがユーザーの職務にどのように活用されるのか考えます。データを、そのワークフローに当てはまる形式にしてみましょう。たとえば、あるKPIを注意深くモニタリングする必要があるかもしれません。その場合は、そのKPIを左上に配置し、最初に目につくようにします。

これは、データに文脈上のコンポーネントを提供する機会にもなります。たとえば、ThoughtSpotのノートタイルを使えば、特定のビジュアライゼーションの解釈の仕方や利用方法について重要な指示を示すことができます。

 

7.データとダッシュボードから最大の価値を引き出す方法を示す

ユーザーは必ずしも「データ通」であるとは限らないということを覚えておく必要があります。もちろん、大部分のユーザーは一定水準のデータリテラシーを持っていますが、その程度はさまざまです。

チーム向けに新しいダッシュボードを立ち上げるときは、構築したダッシュボードの優れた機能を示し、日常業務にデータを活用する価値を明確に示しましょう。実際に稼働するところを目にすれば、ユーザーが導入に同意し、新しいワークストリームを現行のワークフローに組み込む可能性は高まります。

8.導入後の使用状況に基づいてモニタリングと見直しを繰り返す

これらのステップにすべて従っても、ワークフローが変更されたり、データが有用だと判明しなかったり、新しいデータソースが導入されたりすることは確実にあります。したがって、データチームがダッシュボードの使用状況をモニタリングし、チームとの定期的なチェックポイントを設定して改善領域を把握することが重要です。 

BIダッシュボードの例

上記のように、ダッシュボードの要件はチームによって異なります。ここでは、ダッシュボードの作成に役立つ例とアイデアをいくつかご紹介します。

マーケティングKPIダッシュボード

マーケティングダッシュボードはさまざまな領域を網羅し、各ユーザーはそれぞれ異なるデータソースをモニタリングします。ウェブサイトの分析からSEO、ソーシャルメディアや有料広告まで、モニタリング対象はさまざまです。 

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営業ダッシュボード

営業リーダーは、SKUレベルの最新のインサイトを必要としています。こうしたインサイトがあれば、概要を大まかに確認したり、きめ細かいレベルまで掘り下げて調査したりすることができます。 

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人事ダッシュボード

人事チームは分析を使って人事KPIを測定することで、従業員の離職などのリスクを軽減し、チームやビジネスにとっての機会を予測できます。

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財務ダッシュボード

財務担当者は、会社の中で最もデータドリブンなチームの1つだと主張する人もいるでしょう。彼らがデータから引き出すインサイトは、ビジネスの浮き沈みを左右しかねないからです。

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カスタマーサービスダッシュボード

同様に、顧客とのやり取りも会社の収益に直接影響を及ぼすことがあります。担当者による対応の可否や顧客満足度を把握し、時間を管理することが重要です。

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ITダッシュボード

システムの可用性、セキュリティー、アクセス管理、データ品質など、ITのやるべきことは膨大にあります。データの傾向を可視化することはITの応答性の改善につながり、ビジネスの付加価値を高めます。

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ビジネスに最適なBIダッシュボードツールを見つける方法

市場には多くのBIダッシュボードツールがあるため、すでに既存のデータソリューションの1つとしてこうしたツールを導入しているかもしれません。では、長期的に見て最大の価値をもたらすツールはどのように見分けることができるのでしょうか。着目すべき点をいくつかご紹介します。 

1.    最新の機能とコネクターを備えたBIソリューションを探します。こうしたソリューションはユーザーエンゲージメントを高め、データドリブンな意思決定を促進します。

2.    すべてのユーザーが行動に結びつくきめ細かいインサイトを得られ、データチームのバックログが減り、データの価値が最大限に高まるようなソリューションを選びます。

3.    BIプロバイダーが新しい機能の開発や改善に向けた反復作業に投資しているかどうかを確認します。コミュニティーリソースや、顧客中心のイノベーションの実績はあるでしょうか。

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