パイプライン管理にセルフサービス分析を活用するための方法おすすめ6選

パイプライン管理(案件管理)は、あらゆるB2Bビジネスの市場開拓戦略にとって不可欠です。パイプラインが健全であれば、営業サイクルの終わりまでに目標を達成できる保証が得られたようなものです。 

私はThoughtSpotのビジネスオペレーション担当シニアバイスプレジデントとして、行動に結びつくインサイトをセールス部門とマーケティング部門に提供し、予測可能なパイプラインの成長を促進する責任を担っています。インサイトの提供には、次のような点が重要になります。 

  • 取引規模: 通常、最も重要な指標

  • 段階: それぞれの見込み顧客がパイプラインのどこにいるか、その進行状況、各段階での経過時間

  • 速度: ある段階から次の段階にオポチュニティーが移るまでにかかる時間

  • 取引サイクル: 最初のミーティングから成約までの平均期間

  • 見込み: 過去の実績を基に予測された翌月の状況

ThoughtSpotでは、私たちのチームは「消費者」というより「クリエイター」です。簡単に説明しますと、私たちは営業チームとマーケティングチームが次の四半期のアクションに必要とするデータのインサイトと見通しを可視化し、キュレーションしているのです。また、CFOをはじめとする上級幹部向けに、情報に基づいた戦略的意思決定に必要な全体像がわかるようなデータの提供も行っています。

以下では、当社がセルフサービス分析を使用して、成功するパイプラインをどのように構築しているのか、また、どのようにすれば皆さんも同じことができるかをご説明します。 

Liveboardsで全体像を可視化する

パイプラインの収益目標が決まったら、その目標を達成する方法を見つけ出すために、ボトムアップで始める必要があります。私はまず、毎日確認したい分野ごとに別々のLiveboardsを設定しています。Liveboardsを使って以下のことを明確にしているのです。 

  • ソーシング
    見込み顧客はどこから来ているのか。たとえば、営業チームからパイプラインに入るリードの数を、マーケティングチームからパイプラインに入るリードの数と比較すると、どうなるでしょうか。当社はファネル上部にある各ソースごとに、その寄与率を追跡しています。その理由として、各チャネルを最適化することで、質の高い十分な数のリードをパイプラインに誘導できるようにするということがありますが、それだけではありません。リスク管理の観点からも、1つだけのチャネルに過度に依存し、見込み顧客すべてをそこから集めようとするのは、避けるべきなのです。

  • フォローアップによるコンバージョン
    パイプラインのうち、どの程度が収益に結びつくのか。当社はまた、各パイプライン段階の見込み顧客をコホートとして追跡しているため、平均販売速度について最新の指標を利用できるようになっています。このデータは正確な売上予測を立てるにあたって重要です。

  • 生産性
    収集したビジネスデータからその全体像について有意義な視点を得るには、より細かいレベルまでデータを掘り下げていく必要があります。たとえば、パイプラインへの寄与に関して、営業とインサイドセールスのうち何パーセントが目標を達成しているかといった掘り下げが必要です。

私たちが取り組んでいるのは、こうした指標を追跡し、最終目標に向けてパイプラインを管理することに留まりません。変数全体の相互作用、微調整や最適化が可能な部分、データ推移の方向性、特に影響が大きい変数といったことについても、常に注視しています。 

パイプラインの健全性をライブデータで常に正確に把握

ここで取り挙げるのは、ビジネス全体の健全性をチェックするための仕組みです現在の四半期と、今後のいくつかの四半期における状況を確認し、「このデータから、パイプラインは健全に見えるか」と自分に問いかけてみます。 

パイプラインについて四半期ごとのオープンビューを見ているときは、たとえば平均成約率をパイプライン全体と比較するなど、データを各目標に照らしてマッピングします。そうすることで、四半期全体の数字が目標の達成に向けて順調に推移しているかどうかを確認できるのです。 

ThoughtSpotを使うと、何が起きているのか、そして「なぜ」それが起きているのかを、すべてリアルタイムで簡単に確認できます。一般的には、複数の変数にわたる微細で広範な分布を見ていくことになります。以下はその具体例です。 

  • パイプラインの段階ごとのデータ: 見込み顧客の割合が適切であるか、確認する必要が出てきます。もし、見込み顧客の多くがファネル上部で動かなくなっているのがわかったら、すぐに営業チームと連絡を取って、次の段階に進めるようにするには何が必要かを把握することができます。

  • 案件のタイプ: 多くの新規取引や、既存アカウントにおける追加取引など。

  • ソーシング: 見込み顧客を最も獲得するチャネルは四半期によって多少異なる結果になると見込んでいます。しかし、これについても同様に、比較的広範囲にわたるソースでリードを獲得できるようにしたいと考えています。

当社ではライブアナリティクスを活用しているため、パイプラインに対してこのような詳細な検討を定期的に行うことができます。四半期末まで待たなくても、自分からアクションを起こせるようになりました。何か問題を見つけたら、すぐにフラグを立てて営業チームやマーケティングチームのリーダーに伝えられるのです。 

正確な予測を得る(手間をかけずに)

当社では、信頼性の高い詳細なパイプライン予測を開始するために、検索機能を使用しています。現在の四半期の数字が、次の四半期の目標を達成するうえで順調な推移を示していることを確認する必要があります。そのような推移ではなかった場合、そのことが今後3か月間にもたらす影響を知るために、「現時点」でどのようなアクションを起こせばよいのでしょうか。フィルターを適切に使えば、四半期ごとの売上予測チャートをすぐに作成し、何を変える必要があるか詳しく検討できます。 

検索結果に基づいて、ドリルダウン機能で素早くインサイトを引き出し、正しい方向に推移しているかを確認します。そうすることで、正確な最新の予測を他のメンバーに提示し、また、ファネルの各段階すべてに影響を与える可能性のある、購買者に関する傾向や異常値についてフィードバックすることができます。

案件レビューでチームの結束を高める  

大型案件はもちろん素晴らしいものですが、重大なリスクも伴います。1つの大型案件にすべての力を注いでいるときに遅れが発生すると、目標を達成するために小型案件の確保に奔走する羽目になりかねません。私の仕事は、社内の関係者が次のような点で常に正しい対応を行い、大型案件をタイムリーに成約できるようにすることです。 

  • その案件に携わる人員を十分に確保できているか

  • その案件に経営陣は関与しているか

  • その案件を現四半期内に成約させるにはどのようなプロセスが適切かを理解しているか

検索機能を使えば、1つ1つの案件について、それがどのような段階にあっても、行動に結びつくリアルタイムのインサイトを引き出すことができます。こうしたインサイトを活用することで、大きなリスクも伴うこのような案件に対し、営業部門とマーケティング部門が常に一丸となって取り組み、成約に向けてあらゆる手を尽くせるようになるのです。 

ウォーターフォールビューでパイプラインを最適化する  

パイプラインウォーターフォールチャートは、私がThoughtSpotでよく使うデータビューの1つです。これを使うと、パイプライン全体を詳しく観察し、改善できる可能性のある点を見つけてチームと共有することができます。ドリルダウン機能を使えば、次のようなレベルまで詳細にデータを掘り下げられます。  

  • 案件の失注率

  • 案件の成約率

  • 縮小率(案件の規模が時間の経過とともに縮小する場合)

  • 現四半期に計上できた割合(案件を前倒しにして現四半期中に成約させることができた場合)

  • 次の四半期に持ち越された割合(遅れが発生した場合)

  • 拡大率(営業サイクル中に案件を拡大した場合)

  • 新規パイプライン(案件を獲得した四半期と同じ四半期内に成約できた案件)

 

上のチャートでは、それぞれのデータを掘り下げて、どのオポチュニティーを失注したか、そのオポチュニティーはどのアカウントから発生したか、そして、失注した案件、持ち越しとなった案件、追加取引の発生した案件のオーナーは誰かを、すばやく確認することができます。仕方なく静的ダッシュボードを使い続ける必要はありません。また、思い浮かんだ新たな疑問に対して答えを見つけようとするたびに、データの再構築を余儀なくされる必要もありません。このチャートを使えば、データを好きなようにすぐ切り分けて見ていくことができるのです。 

データをこのように細かく見ることできれば、時間の経過とともに洞察力が深まることにもなります。私のチームは、当社のパイプラインに大きな影響を与えているものの、以前は考えることもなかったような変数を発見できるようになります。そうなれば、時間の経過とともに予測精度が上がり、パイプラインはより安定したものとなります。 

営業担当者の活動と成績を常に把握する  

個々の営業担当者がどのような成績を上げているかを把握することは、パイプライン全体を明確にするのに役立ちます。営業部門の誰もが最高の仕事をできるようにするには、個々の営業担当者の生産性に関する情報が必要です。しかし、あらゆる角度から見た全体像を把握し、あらゆる変数を考慮に入れなければ、個々の営業担当者に対して不公平になる恐れがあります。 

ThoughtSpotでは、営業担当者が何をしているのかがわかるだけではありません。なぜ担当者が苦労しているのか、その背後にある具体的なデータまで掘り下げることもできます。たとえば、次の四半期の大型案件に取り組んでいるために、現四半期は数字を上げる時間がない、といった事情があるのかもしれません。私のチームは、ドリル機能やフィルター機能を使って、どの営業活動が最も収益を生み出しているのか、またどの営業活動には手を出さない方がよさそうなのかを見極めます。そうすることで、営業チームが常に時間を賢く使えるようになります。 

ThoughtSpotのセルフサービス分析で、パイプライン管理をもっと簡単に 

他のビジネスオペレーションチームと同様に、私たちは四半期ごとに成功のプロセスを再現しやすくすることを目指しています。私たちの目標は、営業部門とマーケティング部門にデータの背後にあるストーリーを提供することで、より適切な意思決定を行い、パイプラインを明確に把握し、常に先行指標を先取りして対応できるようにすることにあります。 

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