ダッシュボードとは:定義、ユースケース、種類、例について

現代のダッシュボード(ThoughtSpotがLiveboardと呼んでいるもの)は、データの理解、リアルタイムでのインサイトの共有、データドリブンな意思決定をするうえで重要です。このガイドを読むと、「ダッシュボードとは何か」という質問に回答できるようになります。これには、ダッシュボードのユースケース、主な要素、例なども含まれます。読み終える頃には、データへの投資を最大限に活用するために必要なノウハウが身に付いているはずです。

目次:

ダッシュボードとは

ダッシュボードは、リアルタイムのデータを視覚的に表現したもので、ビジネスユーザーがより洗練されたデータドリブンな意思決定を行うのに役立ちます。このインタラクティブなツールを使用すると、ユーザーは複数のソースから複雑なデータを収集し、それをわかりやすいデータビジュアライゼーションに変換できます。ダッシュボードは、KPIの提供と、チームの目標達成の進捗追跡に最適な手段です。 

現代のダッシュボードとレポートの比較

リーダーに意思決定の方法について質問すると、全員が「最終的には文脈次第だ」と答えるでしょう。ダッシュボードとレポートを比較する際にも、同じ原理が当てはまります。両者の違いは、それらをどのように使うかにあります。

以下はその詳細です。

ダッシュボードは、ビジネスユーザーが簡単に理解して共有できるKPIの集約ビューを提供します。フィルターやドリルダウンなどの機能を通じてユーザーエンゲージメントを高めるように設計されており、表面レベルのデータビジュアライゼーションだけでなく、その次に発生する疑問への回答も可能になります。

その一方でデータレポートは、生データの詳細なビューを提供し、時には生データそのものを非集約的な方法で提供します。一日の終わりの売上データだけでなく、営業担当者別や製品別に細分化したデータを見たい場合に便利です。

ダッシュボードの価値

ダッシュボードとは何かを理解したところで、ダッシュボードがビジネスにどのような付加価値をもたらすかを探ってみましょう。

1. あらゆる分岐点でデータドリブンな意思決定を可能にする

戦略的な意思決定を行う際、昨日の古いインサイトを提供するダッシュボードは必要ありません。必要なのは、適切なタイミングで適切なメッセージを的確に伝えるソリューションです。ThoughtSpotのAIを活用したダッシュボードには、データの探索、アドホック分析の実行、AIを活用したインサイトの生成をあらゆる場面で支援する機能が組み込まれています。 

これらの機能により、ユーザーは物事が起こっている理由について深く掘り下げ、より微妙なニュアンスを持つ意思決定を情報に基づいて行うことができます。わかりやすいビジュアライゼーションとユーザーフレンドリーなインターフェイスにより、あらゆる部門のビジネスユーザーが、データの解釈に迷うことなく貴重なインサイトを活用できます。 

 

2. 競争上の優位性

顧客の期待が高まる中、今日の企業は自社の競争力を高める必要があります。ただし、特に何から手を付ければよいか分からない場合、競争力の向上は言うほど簡単なことではありません。長年にわたり、企業は直感と経験に基づいてカスタマーエクスペリエンスを向上させることに注力してきましたが、テクノロジーによって企業は増大するデータ需要に追いつくことができていません。 

ライブダッシュボードを活用すれば、事実に頼り、顧客の課題の解決に鋭い焦点を当てることができるようになります。実際、McKinseyの調査によると、データ分析の力とテクノロジーを組み合わせている成長企業は、市場を15~25%上回る収益を得られることがわかっています。

誰もがデータを詳しく分析し、微妙な顧客の行動を理解できるようにすることで、パターンや離脱の原因となる箇所を特定できます。この新たな知識により、顧客満足度を高める戦略を実行できます。さらに、ビジネストレンドをリアルタイムで監視することで、市場の変化に迅速に対応し、競争上の優位性を確立できます。 

3. リソース計画

McKinseyの調査では、リーダーの60%以上が、効果的なサプライチェーン計画のためのITイニシアティブに予想以上の時間と費用がかかった、またはそのイニシアティブで期待した結果が得られなかったと回答しています。カスタマイズ可能なライブダッシュボードを設定することで、エンドツーエンドのサプライチェーンパフォーマンスに関するリアルタイムの最新情報が提供されるため、企業はリソースを効率的に配分するための賢明な意思決定を行うことができます。 

リアルタイムのインサイトに瞬時にアクセスすることで、リーダーは現在の状況を監視し、需要予測を行って、ROI向上のための改善点を特定できます。たとえば、Northmillの事例を取り上げてみましょう。Northmillは、行動に結びつくインサイトを自社のLiveboardに取り込み、そのインサイトを活用してリソースを効率的に配分し、顧客の問題を解決することで、コンバージョン率を35%向上させることができました。 

「新しいソースとデータフィードを追加すること、そしてB2Bビジネスをより詳細に調査することを可能にしたいと考えています。次はこの2つの分野に時間とリソースを集中させることで、データをさらに深く掘り下げるためのより洗練されたモデルを構築して、洗練された企業になることを目指します。」

ストックホルム、Northmill Bank AB、CFO、Tobias Ritzén氏

ダッシュボードの作り方

ダッシュボードをゼロから構築するのは、かつては時間のかかるプロセスでした。今日では、このプロセスは劇的に変化しています。ダッシュボードの利用が増加し、機能が進化するにつれて、ビジネスユーザーはニーズに応じて機能やレイアウトを簡単にカスタマイズできるようになりました。 

以下に、「ダッシュボードの作り方は?」という質問に答えるステップをいくつか挙げています。ただし、常に覚えておくべきことは、ダッシュボードの作成に決まったルールはないということです。エンドコンシューマーとビジネスのニーズに基づいてダッシュボードを構築しましょう。  

ステップ1:目標を明確化する

目標とターゲットのペルソナが明確に定義されていない限り、データは推測も同然です。ダッシュボードから最大限の価値を引き出すには、何を達成しようとしているのか、そして誰がそのメリットを享受するのかを明確にする必要があります。たとえば営業チームに目標を達成させたい場合、営業チームの現在のパフォーマンスを監視し、さらに深く掘り下げて改善の機会を見つけるためのダッシュボードを作成できます。 

ステップ2:データを改善する

クラウドデータウェアハウスのサイロからデータを取り出し、ビジネスユーザーの手に渡すことは、データドリブンな組織になるためのよい第一歩です。ただし、データガバナンス、ETLプロセス、データモデリングを導入することは、データに具体的な影響を持たせるうえで重要な役割を果たします。ダッシュボードにデータを提供する前に、データがクリーンで、正確で、一貫性があり、最新で、関連性があることを確認する必要があります。 

ステップ3:適切なBIツールを選定する

市場には非常に多くのBIツールがあるため、分析スタックの選定に圧倒されることがあります。優先すべきなのは、堅牢な統合機能を備え、スケーラブルなパフォーマンスを提供する使いやすいスタックです。 

ステップ4:ダッシュボードを設計する

20年間にわたりダッシュボードに携わってきた経験から言うと、最も効果的なダッシュボードでは、華やかなビジュアルデザインよりもインサイトを抽出することが優先されています。ダッシュボードはできるだけ直感的に使えるものでなければなりません。そのために、インタラクティブなデータビジュアライゼーションを活用したり、対比のために明るい色を適用したり、フィルター、ドロップダウン、クリック可能な要素を追加したりすることができます。 

ステップ5:コンテキストを提供する

昔ながらの知恵として、データの事実を共有するよりもストーリーを語る方が影響力があると言われています。ストーリーは、聞き手の専門分野や技術的な熟練度に関係なく、聞き手にとってより印象的で魅力的な体験を生み出すからです。要約を書いたり、ラベルやメモを追加したり、ユーザーに幅広いストーリーを提供するその他の情報を織り込んだりすることで、ビジュアライゼーションにコンテキストを追加できます。 

ステップ6:さまざまなテンプレートや機能を試す

ダッシュボードの機能を理解することは、BIツールの固有の機能を詳細に把握することにもつながります。データそのものに注目する一方で、分析プラットフォームの機能、たとえば拡張分析、迅速なコラボレーション、他のワークスペースツールとのシームレスな連携を活用することにも目を向ける必要があります。ユーザーがレポートのニーズに対して最も効率的なワークフローを特定できるかどうかは、あなた次第です。この最適化を行うことで時間が短縮され、誰もが迅速にレポートを作成して共有できるようになります。

💡 付加価値を確実に高めるBIダッシュボードの作り方の詳細については、こちらをお読みください。

ダッシュボードの主な要素

ダッシュボードとは何か、ダッシュボードの作り方を理解したところで、適切に設計されたダッシュボードの主な要素について見ていきましょう。

  • シンプルで新鮮なUI:レイアウトが複雑だったりKPIが多すぎたりすると、実際に重要な情報を見つけられなくなる場合があります。すっきりとしたシンプルなUIを維持することで、乱雑にならずに、重要な情報を迅速に伝えることができます。 

  • モバイル対応:相互接続された世界では、人々は外出先でもデータが必要です。モバイル対応にすることで、ユーザーは時間や場所を問わずダッシュボードにアクセスできるため、移動中、会議中、デスクから離れている間にデータを柔軟に監視できます。

  • アクセス制御:サイバー攻撃は組織にとって深刻な脅威です。脅威を制御する方法の1つは、高度なアクセス制御とセキュリティ対策を活用して、機密データが信頼できる人の手に渡るようにすることです。

  • 簡単な共有とフィードバック:データの共有は組織全体で実践すべきことですが、どのツールも同じレベルの共有性を提供しているわけではありません。BIプラットフォームを選定する際は、誰もがデータドリブンな意思決定を行えるよう、簡単に共有とフィードバックを行える機能を備えたソリューションを探しましょう。 

  • シームレスな統合:エンドツーエンドのビジネスをより正確に把握するには、BIプラットフォームに複数のシステムからデータを取り込む必要があります。異なるソースからのデータを組み合わせることで、BIプラットフォームによってKPIの統一されたビューが作成されるため、トレンドやパターンをより深く理解できるようになります。

  • アラートと通知:現代のダッシュボードの最大の特徴は、アラートを設定してKPIをより効果的に監視できることです。たとえば、在庫のアラートを作成すると、在庫が不足している場合にすぐに通知されます。この通知により、迅速に対応し、時間とコストを節約するための代替案を考えることができます。  

従来のダッシュボードとLiveboardの比較

従来のダッシュボードを使用している組織は、結局データが豊富なだけでインサイト力に乏しいため、革新や成長が妨げられています。ThoughtSpotのような現代のプラットフォームは、非常にインタラクティブでダイナミックなビジュアライゼーションを提供し、適切な場所とタイミングでリアルタイムのインサイトを提供するため、誰もがデータドリブンな意思決定を行うことができます。 

以下に、Liveboardがビジネスユーザーに即座に価値をもたらす仕組みをいくつか紹介します。

  • SpotIQがAI支援によるアナリティクスを使用して、隠れたインサイトを見つけます。 

  • 認定ダッシュボードがデータガバナンスを確立し、組織全体の品質を維持します。 

  • コネクターが必要に応じてビジネスチームにデータを送信します。統合の構築や保守の手間は不要です。 

  • 外出先でも利用できるデータにより、モバイルデバイスでリアルタイムのデータ追跡が可能になり、ユーザーは時間と場所を問わずデータドリブンな意思決定を行えます。 

ダッシュボードの種類

ダッシュボードごとに、その目的とユーザーは異なります。独自のダッシュボードを構築する際に役立つ、さまざまな種類のダッシュボードを以下に紹介します。 

1. 運用ダッシュボード

運用ダッシュボードは、リーダーが日々のビジネス活動を把握するのに役立ちます。通常、ダッシュボードは週次または月次で作成されますが、優れたソリューションでは、ユーザーがダッシュボードを開くたびにリアルタイムの運用インサイトが提供されます。現在のビジネスの実態を分析して追跡することにより、マネージャーはリスクを最小限に抑え、改善すべき領域を特定し、ビジネスで競争上の優位性を確立できるようにプロセスを最適化できます。 

2. 分析ダッシュボード

運用ダッシュボードが狭い視点を提供するのに対し、分析ダッシュボードはより深く掘り下げ、複雑なデータセットの詳細なビューを提供します。ユーザーは、トレンドを調査し、パターンを分析して、意味のあるインサイトを得ることできます。これらのダッシュボードは、データの探索と分析に特化して設計されています。

3. 戦術ダッシュボード

戦術ダッシュボードは特定のプロジェクトやイニシアティブに焦点を当てています。運用ダッシュボードは組織の日常業務の大まかなビューを提供するのに対し、戦術ダッシュボードはプロジェクトの成功に関する詳細なインサイトを提供します。

たとえば、戦術ダッシュボードはソフトウェア開発チームにとって不可欠です。コードの変更、リリースの頻度、ユーザーエンゲージメントの指標をリアルタイムで監視でき、チームの時間とコストを節約できるからです。 

4. 顧客ダッシュボード

世界水準のカスタマーエクスペリエンスを提供するには、まず顧客の行動や動機を理解し、顧客分析を使用して魅力的なタッチポイントを作成する必要があります。顧客ダッシュボードは、ユーザーがどのように製品やサービスと関わっているかという点について行動に結びつくインサイトをリーダーに提供し、離脱の原因となる箇所を特定し、パターンを明らかにします。 

5. 財務ダッシュボード

財務管理は厄介なものです。収入と支出を追跡するのは当然のことですが、財務の健全性を理解するには、他の要因も考慮する必要があります。財務ダッシュボードは重要な財務KPIを監視し、異常を明確に示して、可能な改善措置に関するヒントを提供するため、ユーザーは豊富なインサイトを得ることができます。  

6. サプライチェーンダッシュボード

サプライチェーンダッシュボードを使うと、リーダーは自社のサプライチェーンオペレーションのパフォーマンスを監視できます。サプライチェーンKPIからのインサイトを活用することで、リーダーは調達プロセスの最適化、サプライヤーとの関係の管理、物流の中断の最小化について情報に基づいた意思決定を行うことができます。

現代のダッシュボードでデータストーリーを効果的に伝える

成功している企業は、インサイトを明確かつ効果的に提示することがチームの力になることを知っています。ThoughtSpotでは、誰もがデータドリブンな意思決定を行う力を持つべきだと考えています。そのため、すべてのユーザーがインタラクティブなデータビジュアライゼーションをすばやく作成し、迅速に共有できるようにすることに力を尽くしています。ThoughtSpotのLiveboardは、信頼性のあるリアルタイムのインサイトを提供し、ビジネスに関するスマートで迅速な意思決定を可能にします。

この実例がFabuwoodです。50の手動レポートをインタラクティブなLiveboardにアップグレードすることで、Fabuwoodのマネジメントチームは潜在的な問題にプロアクティブに対処し、SKUを正確に予測できるようになったほか、指標を検証して、Fabuwoodの収益をより的確に可視化できるようになりました。

「以前は、意思決定をしてから、それを裏付けるためにデータを利用していました。今日ではThoughtSpotを利用して実際にデータにアクセスできるため、データに頼って意思決定を行っています。信頼性とアクセスが重要な役割を果たしています」

Fabuwood、テクノロジーディレクター、David Samet氏

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